GWが終わり本日から通常業務に復帰。今週末は株式会社gene様主催のセミナーで、膝関節疾患について話します。できるだけ多くの受講者の膝を治療させてもらう予定です。
   
 
リアライン・コンセプトは静的アライメントの改善、他動運動の改善を通過点とする治療の設計図です。この通過点を通ることができるか否かは「治療技術」に依存します。つまり、技術がなければ設計図は意味を成さないとも言えます。
  
   
大学時代(PT養成校に入る前)の解剖実習で、膝関節伸展位でかなり回旋の遊びがあることを確認したときから、回旋アライメントは「拘縮」だと考えるようになりました。Qアングルは、脛骨粗面の位置を変化させるような脛骨大腿関節の拘縮によって決定づけられることもわかりました。それに基づき、静的アライメントが治療の対象であることを強く意識するようになりました、
 
 
30歳の頃、臨床においてねじれた膝に取り囲まれる毎日、Qアングルを改善することと脛骨大腿関節の回旋アライメントを改善することは同じ意味だと考え、下腿外旋拘縮の治療に取り組むようになりました。当時3ヶ月かけてQアングルが改善したOA膝のスライドを、それから10年間ほど使っていました。
 
 
2015年、組織間リリース(ISR)セミナーを開始し、セミナー中の実技中に20分ほどの間に全受講者(ペア)対して膝の回旋アライメントをその場で修正し始めるようになりました。気づいてみると、3ヶ月かけて改善した回旋アライメントが5分ほどで変えられるようになっていました。そこに至る過程で、総腓骨神経と腓腹筋外側頭のリリースや、関節包に触れている腓腹筋や大腿二頭筋のリリースが確実にできるようになっていました。
  
 
振り返ると30年近くの年月をかけて、膝の回旋アライメントを改善することがある程度思い通りにできるようになり、昔思い描いたような治療が進められるようになってきました。この3年間でISRの技術は格段に進歩したことを踏まえて、次の3年間が楽しみでなりません。
 
 
現在は、「関節拘縮を1回の治療で解決する」という治療技術の習得を目指していろいろと研究しています。研究と言っても論文になるようなものではなく、「臨床における探索」というのが正解かもしれません。鏡視下術の映像を振り返ると、拘縮の解決には、関節周囲で瘢痕組織に埋もれた正常組織を発掘し、その正常な滑走性を取り戻すことが不可欠です。次の3年間で、関節外の瘢痕組織や関節包内の癒着を触知し、それをリリースし、確実に正常な可動域を回復させられるような技術を身につけたいと思います。
 
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