リアライン ・・・ からだのゆがみを科学する
 

快適にハイヒールやパンプスを履きこなすための足作り(リアライン・フット)

  足部の痛みは、健康な人も含めてとても多くの方が悩む問題です。足底腱膜炎、扁平足、ハイアーチ、外反母趾など、多くの病態があります。しかし、それらに対しても、目指すゴール、理想のアライメントは1つであり、その獲得のためには正確な評価と治療技術が必要になります。ISR®は、他の関節のリアラインと同様に、足部のリアラインにおいても重要な技術です。
 

足部に対する組織間リリース(ISR®)

これまでのISR®の紹介記事で、皮膚、筋膜、筋間、関節包などのリリースについて紹介いたしました。またそれとは別に「CSPT足部編」にて、足部に対するリアラインも紹介しました。今回は、これらを組み合わせた足部に対するリアライン(リアライン・フット)について紹介いたします。リアライン・フットとは、多くの女性が悩まされるハイヒールや細いパンプスを履いた時の足の痛みを解決するための特殊な技術(特許出願)です。
 


 

目指すゴール、理想のアライメントは1つ

足部の痛みは、健康な人も含めてとても多くの方が悩む問題です。足底腱膜炎、扁平足、ハイアーチ、外反母趾など、多くの病態があります。しかし、それらに対しても、目指すゴール、理想のアライメントは1つであり、その獲得のためには正確な評価と治療技術が必要になります。ISR®は、他の関節のリアラインと同様に、足部のリアラインにおいても重要な技術です。
 
日本健康予防医学会は、2017年度より「リアライン・フット」という資格制度を立ち上げました。これは、足部のリアラインに特化した資格制度で、足を靴へのフィッティングを含めて、足のスペシャリストの養成を目指しています。特に、ハイヒール・パンプスなどの細い靴に対して足を馴染ませて、苦痛の無い快適な生活を実現することができます。この資格は、足の健康のため、医療資格を持つ方から、靴販売店などの一般の方まで幅広い方々を対象としています。靴販売支援、足部疾患治療の支援、靴開発支援などの新しいビジネスを創出し、足部の問題で悩む人に解決をもたらします。
 

症例紹介

 

職場、プライベートでもハイヒールを着用する頻度が多い30代女性
 
◆評価
 
歩行時に母趾中足指節間(MP)関節の疼痛がありました。ハイヒールを履いた時には、小趾球外側に痛みが生じ、裸足でも同様の症状がありました。小趾球外側には軽度の発赤がありましたが、そのほかの炎症症状はありませんでした。他動運動では、母趾背屈時に痛みが誘発されました。
 
足部アライメントとしては、立方骨の降下、母趾MP関節の外反・外旋、楔状骨の外方偏位、リスフラン関節内転と回外が認められました。距腿関節のアライメント・可動性は比較的良好でしたが、背屈に伴いわずかに距骨の内後方への移動制限がありました。よって本症例の治療において、足部のリアラインが必要と判断されました。

 
◆メカニズム
 
本症例の症状のメカニズムとして、ハイヒールを履く際の第1-2趾での荷重による外反母趾の増強、立方骨降下に連動したリスフラン関節内転と前足部回外、その結果生じる内側アーチ降下と外側荷重、さらには小趾と靴への圧迫による痛みが生じたと推測しました。


 

目標・治療

 
◆目的
母趾、前足部、立方骨アライメントの改善、外側荷重の修正
 
◆治療
楔状骨の内方への可動性改善: 母趾外転筋と中足骨・楔状骨・舟状骨との間の癒着をリリースし、舟状骨に対する楔状骨の内方への可動性を改善。さらに楔状骨の内方へのモビライゼーションにより、前足部の回内可動性を獲得。そのとき、足部背側で抵抗する、長母趾伸筋腱をその内側で舟状骨や楔状骨からリリース。
立方骨の挙上可動性改善: ショパール関節を内転しつつ、踵立方関節底側の関節包から足底脂肪体をリリース。
立方骨挙上と前足部回内の連動: 立方骨挙上と前足部回内が連動することを徒手的に確認。その後、荷重位において、立方骨を足底から支持するパッドを用いて母趾球への荷重が増加し、外側荷重が軽減することを確認。
母趾の正常な背屈運動の獲得: 母趾外転筋と足底腱膜・短趾屈筋・母趾MP関節包とのリリースを行い、正常な母趾の背屈運動を獲得。
 


 

経過・考察

 
◆経過
 今回の治療後、裸足、ハイヒール着用時ともに、歩行時痛が消失しました。特にハイヒールを履いた時の外側荷重が改善し、後足部の回外が中間位に改善しました。痛みの再発がないことを確認し、治療を終了しました。
 
◆考察
 今回のような、ハイヒールでの痛みを呈する女性は、重軽症問わず多く存在します。これに対し、リアライン・フットの技術を用いることにより、靴に馴染むような足の可動性を取り戻し、症状の消失が可能です。このような痛みに悩まされず、ヒールを楽しむ女性が一人でも多く救われることを望んでいます。

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