<ウーマンズヘルスケアフォーラム2018 in 大阪>
 
  
大阪で開催された研修会で講演および2コマの実技講習を担当しました。婦人科疾患や周産期の治療を専門としているわけではありませんが、リアライン・コンセプトに基づく骨盤治療、胸郭治療の経験は、快適な妊娠生活および速やかな産後の回復に多大な貢献ができます。
 
 
坂本先生(聖隷クリストファー大学)の博士論文のテーマとして取り組んできた産後の骨盤ケアの研究成果も踏まえて、リアライン周産期ケアという概念を構築しています。妊娠後期でも背臥位で快適に眠れるように、また産後1週間で快適に動き回れるように周産期ケアを行います。
  
 
実技講習では、受講者(その大部分が女性)に患者モデルを募集したところ半数以上が手を上げ、受講者の多くが何らかの不調を持っていることがうかがえました。
 
 
主なデモンストレーションの内容は以下の通りでした。
1)椅子坐位ので仙骨から坐骨にかけての不快感
 仙骨傾斜に伴う長後仙腸靭帯痛、坐骨神経の坐骨外側への癒着による近位ハムストリング症候群。仙骨傾斜の改善と坐骨・坐骨神経間リリースで症状消失。
    
2)一側股関節開排制限
 寛骨前傾にともなう恥骨結合の下制による開排制限。寛骨下制の原因は、小殿筋と大腿直筋の間に存在する大腿神経の枝が癒着していたためで、これをリリースすることにより寛骨前傾が解消され、開排制限も消失。
   
3)ヘルニア後の脊椎屈曲制限
 第10肋骨から寛骨にかけて腸肋筋が強く緊張。特に第12肋骨先端部に圧痛が強く、肋骨先端により腸肋筋が押し広げられている状態。腸肋筋を背側に移動させた上で内側に向けてリリースした結果症状は消失。
    
4)後屈制限、胸椎部背筋痛
 一側寛骨の内旋が認められたため、縫工筋と長内転筋の癒着をリリース。これにより後屈時の寛骨内旋が消失し、腰部から骨盤にかけて不快感が消失。
 次に、第8胸椎レベルの多裂筋と最長筋との癒着に伴う背筋痛に対して、両筋間の癒着をリリースして症状消失。
    
5)一側開排制限と股関節外側部痛
 一側の恥骨下制に対して、寛骨を前傾させている小殿筋を関節包からリリースし、開排制限は解消。しかし、開排時の股関節外側から後部にかけて不快感が残ったため、中殿筋・小殿筋間および大腿筋膜・中殿筋間をリリースして症状消失。
     
その他、
・上、中殿皮神経痛
・梨状筋症候群(関節包との癒着)
  
  
いずれもアスリートに生じる骨盤周囲の問題とほぼ同じであり、産後の女性に特有のものではありません。CSPTの骨盤、股関節・鼡径部を習得すればほぼ解決できるはずです。

 
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