■疼痛⑤:アキレス腱深部の痛み

これについては少し文献的な調査をしてみましたが、何も見つけられませんでした。症状と治療経過を少し詳しく説明します。
 
 
<症状>
・踵骨停止部の内側に術創あり。その深部の癒着があり、スクワット時の疼痛が出現。この部分のsuperficial fasciaのリリースにより疼痛は軽減。その後以下の症状が著明になった。
・スクワット時、下腿前傾に伴ってアキレス腱深部に痛みが出現。踵骨停止部から10cm程度近位まで。
・アキレス腱自体に圧痛、その他の異常所見なし。

<治療>
・内果の後方において、他動背屈中に関節包に対して長趾伸筋を前方に滑らせるようにリリース。これによりFDLの緊張は軽減。
・次にFHLと関節包の間をリリースしようとすると、FHLの可動性が乏しく、リリースできず。また脛骨神経を前方に引き出そうとしたが、アキレス腱との間においてKager's fatと一体化して引き出せず。
・外側からFHLの浅層をこするように近位から遠位に向けてリリースしようとしたところ、アキレス腱の直下に脛骨神経を触知。
・一旦、アキレス腱を内側に移動させるようにリリースした後、FHLから脛骨神経を内側に向けてリリース。FDLとFHLとの間のスペースの脛骨神経が移動することにより、アキレス腱の緊張が著しく軽減。
  
 
以上の後にスクワットを行うと痛みが消失していました。脛骨神経の外方偏位ということが起こりうるのかわかりませんが、術後の癒着や長期間の背屈制限に伴って起こった可能性もあります。当人のエコーやMRIを探してみたいと思いますが、このような経験のある方はぜひ教えてください。
 

 
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