腓腹神経の踵骨枝が足関節捻挫後の背屈時痛の原因だった症例
 
 
受傷から数ヶ月間上記の症状が続き、解決の糸口がつかめない状態が続いていたため、治療のリクエストをもらいました。主訴は背屈時の踵骨外側の痛み。アキレス腱ストレッチ、スクワット(しゃがみ込み)、ランニングなどで痛みが出現しながらもスポーツを継続してきたため、代償性に他の部位にも疲労や動きの異常が拡大しているのが気になるとのこと。
  
  
一般的な背屈制限の治療として、ヒラメ筋深層の癒着のリリース、皮下組織のリリース、後内側の屈筋腱および脛骨神経のリリースなどを実施。背屈可動域はスクワット時の膝の位置で1cm以内にまで改善。しかし、踵骨外側の痛みには変化なし。
 
 
そこで結果因子の評価を開始。圧痛を探る中でアキレス腱停止部の1cm前外側にはっきりとしたTinel signを誘発。解剖図を見ながら丁寧にたどってみると外果後方で腓腹神経につながっていました。
 
  
早速、Surgical Exposures in Orthopaedics: The Anatomic Approachを探したところ、下のような図を発見。腓腹神経の踵骨枝が描かれており、上記の触診と一致していました。
 
    
さらに背屈時には、この神経の遠位部はアキレス腱に引かれて後方に、近位部では後距腓靭帯とともに前方に移動しており、背屈時に強い緊張を伴って蛇行していました。
 
 
治療としては、遠位部でアキレス腱からの緊張伝達を解消するように前方に向けてリリース、近位部では後距腓靭帯に対して後方に滑走させるようにリリースして、蛇行は解消。背屈時にも神経は緊張しない状態を作り出すことができ、症状は大きく軽減されました。
  
 

 
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