野球選手の外腹斜筋損傷と組織間リリース
 
 
一流のバッターが外腹斜筋損傷の受傷後、再発の恐怖に怯えながらのスイングを余儀なくされることがしばしば。ハムストリングスや下腿三頭筋の肉ばなれと同様に、外腹斜筋損傷(肉ばなれ)においても治癒とともに癒着が起こり、「しこり」が残ることになります。
 
 
触診でも明らかですが、それ以上にスイングなどの動作中の違和感が残り、再発の恐怖に怯えつつフルスイングを躊躇せざるを得なくなります。そして、忘れた頃に再発を繰り返す例も多いと聞きます。
  
 
先日の野球中継では、谷繁さんが今だにしこりと違和感を感じていることを明かしていました。
  
 
さて、このような場合、そのしこりを解消させられるか否かによってその後の運命は大きく変わります。すなわち、外腹斜筋とその深層の内腹斜筋との癒着、そして場合によってはさらにその深層の腹横筋との癒着を組織間リリースによって解消させます。それにより、まったくしこりのない状態でのプレー再開が可能となります。
 
 
今日のCSPT股関節・鼡径部編では、鼠径管前壁・後壁の圧痛の有無を判定し、圧痛がある場合はそれを組織間リリースによって消失させることに取り組みました。具体的には、鼠径管前壁の疼痛に対しては、外腹斜筋と鼠径管との間のリリースをこないます。一方、鼠径管後壁の疼痛に対しては、内腹斜筋の深層をリリースして鼠径管後壁と腹横筋との間の癒着をリリースします。
 
 
このような腹筋群の癒着のリリースは、妊娠後期の腹腔容積拡張のため、また腹直筋離開の治療としても使用します。また、運動中の呼吸機能改善のためにも多用します。ランニング中に下部腹横筋の持続的緊張を保ちつつ、上部腹横筋を呼吸筋として使うような腹筋群の役割分担を行えるようにするには、各筋の独立した活動が必要となり、そのためにも組織間リリースが不可欠な技術と言えます。
  

 
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